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顎関節症についての私の考え

顎関節症についての私の考え

アゴの関節は、複雑な動きには強いが、心的ストレスには弱い

人間の体には、多数の関節がありますが、その中で顎の関節はとても不思議な関節です。

他の関節と違い、前後にスライドできるからです。

普通だと関節から関節頭が飛び出せば「関節がはずれた」とか「脱臼した」という病的な状態になってしまいます。

ところが、顎の関節は可動域の範囲では左右の関節がスライドできますから、とても複雑な動きができるのです。

食べ物を右側で噛む時と左側で噛む時では、左右の関節や筋肉に変形が生じて顔が曲がってしまいます。

人間は日常、安静にしているときは歯を噛みあわせていません。

つまり下顎は宙に浮いた状態にあるはずです。

そのときは、歯の状態がどうであれ、歯と顎無関係です。

ところが、ものを食べるときは、歯の位置や形で左右の食べやすさが違ってきます。

そのために、歯並びやむし歯、歯の欠損は顎と関係しています。

もうひとつ大切なのは、人間が眠っている時の行動です。

健康な人も、睡眠中15分間ぐらいはくいしばりがおこります。

精神的な疲労・ストレスがあると、強くくいしばる傾向があり、顎の関節に大きな負担をかけることにもなります。

20~30年前は、顎関節症という病気は一般的でありませんでしたが、噛み合わせの悪い人が増えているとともに、ストレス社会の中で、顎関節症に問題を抱える人も多くなっています。

尾立歯科医院
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