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健康な毎日を過ごすために

健康に過ごすための歯科から出来るアドバイスを考えたいと思います。

1.よく噛んで食べること
食物を食べなくても、噛むこと自体がエネルギー代謝を促進し,全身の新陳代謝を促進させて体力を高めています。
噛めば噛むほど唾液は出てくると考えて良いので,唾液の抗菌作用(例えば,リゾチームなど)の恩恵をより多く受けることができます。

2.鼻呼吸をすること
人間は鼻と口の両方で呼吸出来るますが、哺乳類は普通、鼻だけで呼吸します。
言葉を話す人間は,気管から口へ空気が出せるよう,気管が鼻だけでなく口ともつながっています。このため口でも呼吸できるのです。
鼻から吸った空気は鼻腔を通る間に浄化、加湿され,肺が酸素を吸収しやすい形で送り込まれるのに対し、本来呼吸器官でない口で吸った空気は,空気中に漂う細菌やウイルスなどの有害物質がろ過されないまま,直接体に取込まれてしまいます。
こうした有害物質が鼻の奥にあるリンパ組織の集まりで,白血球を作る扁桃などを直撃して,免疫力の低下を招きます。それにより口呼吸が風邪や花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息、間質性肺炎など様々な病気を引き起こしているといわれています。
口呼吸で常に口を開けていると,口の周囲が緩んで舌が気道をふさぐようになり,睡眠時に呼吸が止まったり、昼間、突然激しい眠気に襲われる睡眠時無呼吸症候群の原因になることも歯科医学ではいわれています。
では,普段、口呼吸をしている人が,自然な鼻呼吸を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか。昼間は意識して口を閉じ、鼻だけ呼吸するように心掛けてください。(但し、鼻炎やアレルギーなどで鼻呼吸が困難な人は除いて)背筋を伸ばし、胸を張り、肛門を締めるようにして腹式呼吸をしてください。
日本人の大半は口呼吸をしているといわれています。
鼻呼吸はお金も時間もかからない手軽な健康法です。(西原克也2001.3.17日本経済新聞一部改変)
口呼吸でいるも口を開けている人は,口の周囲の筋肉の働きや舌の働きが悪い場合が多く、あごの発育不良を引き起こし歯並びが悪くなります。
また鼻閉・口呼吸が反対咬合,開咬をつくりだすとう報告は、動物実験などでも報告されています。(新版プロフィトの現代歯科矯正学2004)
鼻閉・口呼吸の子供は低位舌となり,上顎の発達が悪くなり、交叉咬合をつくりだすことも明らかにされています。(こどもの不正咬合 井上裕子)

3.歯磨きとインンフルエンザ予防について
高齢者の肺炎発症率は,口腔ケアをすることで下がることは明らかになっています。
口腔ケアがインフルエンザ予防につながる小規模な調査結果(2006.3.15 歯界展望 口腔ケアによる細菌性酵素活性の減少とインフルエンザ感染予防 阿部修 他)は存在しますが,まだエビデンスが蓄積されていないので,国としては予防法として推奨する段階には至っていないのが現状です。
しかし,エビデンスはありませんが,口腔内を清潔にしておくことが,ウイルス感染予防に効果があることは、間違いないのでは?と思われています。
(2009.3.6 医療介護CBニュース参考)

4.かぜ予防のうがいは水道水で?
京都大学保健管理センター所長の川村孝氏は2002年から03年の冬、全国18地域のボランティア387人を『水うがい群』『ヨードうがい群』『うがい介入なし群』の3群に割り付けて、2ヶ月間にわたって、風邪の発症を追跡しました。発症の有無は,症状のグレードをスコア化することで,客観的に判断しました。
結果は,うがい励行の介入をしなかった群と比較して,水うがい群で風邪の発症者が40%減少したのに対し、ヨードうがい群では有意な減少はみられませんでした。
水道水で効果がありながら,ヨード液で効果がなくなったことに対しては、ヨード液が粘膜の常在細菌叢を破壊したためか,粘膜を構成する細胞が傷害され,水道水と比べて感染が成立しやすくなったのではないかと川村氏は考察しています。
うがいは歴史をたどると室町時代の文献に記述があるほど昔からの文化で,語源は長良川の「鵜飼」だといわれています。
日本固有の風習で米国や隣の韓国ですら行なわれていません。
そのため日本人は,ヨード液が効かないことを驚きますが,外国人には水うがいに風邪の予防効果があることの方を衝撃的に受け止めるようです。
『この試験結果から,今後は風邪の予防のためにうがいをしなさいと,日本の文化として自信をもってアドバイスすることができる』と川村氏は話しています。
(2006.2.20日経メディカル)

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